『STEINS;GATE（シュタインズ・ゲート）』をネタバレなしで紹介！

プレイヤーの選択次第でシナリオが分岐していくアドベンチャーゲームとして発売されました。

従来の形式ではなく「フォーントリガー」という、主人公の携帯電話に届く電話やメール機能を活用した選択肢が出ないシステムを考案。一味違った面白さが体験できます。

原作者は志倉千代丸。松原達也や林直孝らと作り上げた、前作『CHAOS;HEAD NOAH』に続く科学シリーズの第２弾となる作品。デザインにはhukeを起用し、新しいユーザー層を獲得するために絵柄を一新した^*1。

複雑な理論や設定で構築された世界観と卓越したシナリオから「神ゲー」と称され『みんなのランキング』では同ジャンル内で２位をとっています。

2015年の時点でADVとしては快挙となるシリーズ累計販売本数100万本を突破しています^*2。

舞台は2010年のオタクの聖地「秋葉原」――

未来ガジェット研究所という少人数サークルが偶然発見した「過去にメールを送れる装置」をきっかけに周囲の環境、人間関係が慌ただしく変化していくストーリー。

想定科学アドベンチャーと銘打たれており、身近な現実性と理論的に実現するかもしれない未来性をリンクさせた世界観には想像をかき立てられます。

本作の流れは大まかに言うと前半で伏線を張って後半で回収していきます。

ジェットコースターに例えるとわかりやすいでしょうか。「退屈」「難しい」と感じてしまったとしても、長いレールを上っている段階にすぎません。加速度的に面白くなるので我慢してでも観てほしい。

主人公は“自称”マッドサイエンティスト――

携帯を耳にあてては何者かと通話をしている体での独り言。常に見えない敵勢力と戦っており、意図しない出来事が起こると「機関」の妨害ということにしてしまう。

それらは彼の空想上の設定だと理解しておくと序盤の話を余計に難しく捉えなくて済みます。

初めはただの痛いキャラクターの認識で間違いありません。しかし、根は真面目で人一倍に責任感が強く、仲間のために全力を尽くせる熱い一面もあり、噛めば噛むほど味が出る「人間性」が癖になっていきます。

厨二病を含めて無くてはならない存在だと気がついたとき、印象も変わっていることでしょう。

タイトルはどういう意味を持つのだろうか――

綿密に練られた複雑なのに限りなく整合性がとれた構成、世界観に引き込む演出、心を揺さぶられる演技や音楽のシンクロ性、愛着が湧いてくるキャラクターたち。

どれもこれもが魅力的で最初の疑問が嘘のように笑って泣いて、感情がぐちゃぐちゃになりながらも最後まで夢中で観ていました。

伏線という何重にも絡み合った糸が解かれていく爽快感とすべてが一本の線で繋がったときの高揚感は計り知れないものがあります。

今では広い意味合いで使われるようになった「世界線」という言葉を有名にした作品でもあります。名作の呼び声が高いので、試しに観てみてはどうでしょうか。

2011年に放送されたものとは異なる展開――

2015年の再放送で内容が一部差し替えられました。突然の出来事に瞬く間にネット上で拡散されて話題に。なぜ変わったのか？

それは『STEINS;GATE 0』へとつながるエピソードだからでしょう。本編を観ていれば想像はできますが、改変版を観ていると状況把握がスムーズになります。

改変版から分岐した新たなるストーリー――

こちらは『STEINS;GATE（23話）』の裏側といえる内容を続編という形式で補完した作品になっております。要するに、23話改変版から始まって最終的には23話オリジナル版に戻ってきます。

本編の綺麗な終わり方にそこで視聴をやめる人もいるみたいですが、真の完結にふさわしい完璧な出来なのでぜひ見届けてほしい。