『監獄学園（プリズンスクール）』をネタバレなしで紹介！

原作者は平本アキラ。累計発行部数は1300万部を突破^*1。

学園ハーレムものと刑務所ものを掛け合わせたら面白いと思い、自身の高校時代の体験や脱走系の映画などを参考にして作られたそうです。そのなかでも『暴力脱獄』に一番影響を受けたらしく、作中では男子生徒が労働や体罰に抗う様子が描かれています^*2。

校庭の中心部でひときわ目を引く懲罰棟プリズン――

女子校が共学になったことで入学した男子生徒５人。問題を起こした罰として施設に隔離され、ウハウハの学園生活から過酷を強いる刑務所生活へと一変する。

当たり前の中の当たり前でない違和感がそうさせる、波乱と欲望と狂喜に満ちた前代未聞ともいえる学園コメディです。

生徒の比率からも想像できるように、学校内は基本的に女子が優位で男子は肩身が狭い立場になっており、そんな揺るがない女子の強さと悶々とする思春期男子の劣情をコミカルかつバイオレンスに描いています。

タイトルは物騒に見えますが、怖さや重苦しさはなく、気楽に観ることができます。

プリズンを管理するのは裏生徒会の面々――

自身の肉体を駆使して男子生徒を執拗に躾しつける副会長と初心で性知識が乏しいゆえに暴走気味になる書記の二人のシーンが多く、フェチズムを感じさせる魅せ方やアブノーマルに通ずるやり取りがなかなかに過激で「とんでもないアニメが始まった」と思わずにはいられませんでした。

規制については明暗を濃くすることで対応しています。しかしながら、見えるか見えないかは問題ではなくキャラクターの発言や行動からダイレクトに伝わってくる剥き出しの下ネタが下品なことこの上ないです。

実際のところはエロよりギャグが勝る――

異性に興味津々で欲望のためには手段を選ばない。思いもしない発想とそれを行動に移してしまうところが愚劣極まりないのに、どういうわけかかっこいい。

この清々しさとくだらなさによって生まれる笑いの渦が本来ならば不快なはずの下ネタさえも飲み込んで、一つのエンターテイメントの形として完成しています。

以上のように、キャラクター性にエロとギャグをアクセントにした抱腹絶倒のストーリーとなっています。

ばかばかしいことをしているのに彼らはいたって大真面目だというギャップこそが一番の魅力でしょうか。気になる人は第１話を観れば作品の方向性がわかるので、それで判断してもいいと思います。